Übrigens... ~ それはそうと・・・


 いろいろなドイツ語の単語はかなり英語のそれぞれの単語と似ていますね。[オー・ウムラウト] の例にもちいたケルンという地名を知っていますが?ライン川中流域にある古い歴史をもった町ですが、ここはもともと古代ローマ時代にローマ帝国の植民地として栄えました。ラテン語では植民地のことを colonia といいますが、この [コローニア] という言葉がドイツ語に転化してケルンとなりました。つまり英語のcolony [コロニー] と同じ語源なのです。

 もうひとつ、このケルンの名前を有名にしているものがあります。それは女性がつかう香水の一種であるオーデコロン(香水をアルコールや水で薄めたもの)もこの町に由来しています。中世末期にこの町に移住したイタリア人が故郷の特産物であるオレンジやレモンなどの柑橘類のエッセンスをケルンを流れるライン川の水で薄めたものを売り出し、これが大評判となってフランスでももてはやされ、フランス語で「ケルンの水」を意味する eau de Cologne [オー・ド・コローニュ] と呼ばれるようになりました。明治時代に日本へも輸入されてその名も「オーデコロン」となって流行したそうです。いまでもケルンには "4711" という、もともとその製造会社のあった町の番地を表す数字が商標になった化粧品会社があり、現在日本でも発売されています。デパートやスーパーの化粧品売り場をのぞいてみると青いラベルの "4711" がおいてあるでしょう。