Übrigens... ~ それはそうと・・・


 dt という発音の例に Humboldt [フンボルト]とありますが、聞いたことがありませんか?南太平洋を流れる海流にフンボルト海流という名称のものがありますし、ペンギンの種類にフンボルト・ペンギンというものもいます。

 このフンボルトというのはもともと人名で、ドイツ人のフリードリヒ・ハインリヒ・アレクサンダー・フォン・フンボルト(Friedrich Heinrich Alexander von Humboldt, 1769年 - 1859年)という人なのです。彼はドイツの博物学者兼探検家でありまた地理学者で近代地理学の名著『コスモス』を著したことは有名です。

 彼は世界探検をこころざし、南米大陸を中心に幅広い探査旅行をして、数々の重要な発見をしました。フンボルト海流もフンボルト・ペンギンも彼の功績をたたえてその名がつけられたものです。

 ドイツ近代科学の黎明期におおきな役割を果たした彼の名前を冠したアレクサンダー・フォン・フンボルト財団は(Die Alexander von Humboldt-Stiftung)は、国際研究の協力助成を目的としてドイツ連邦共和国が1953年に設置した公益財団です。有能な外国人研究者に対し、ドイツにおける長期研究のための滞在機会を提供し、それを通じた学術文化交流を支援することが財団の目的で、日本からもたくさんのひとびとがこの財団の支援をうけてドイツでの研究のため、人文・社会科学、自然科学を問わず、毎年10-20名の奨学生が選抜され、1-2年の滞独研究の恩恵を受けています。